ピルを飲むしかないの? そのメリット、デメリットと向き合い方

【ピルを飲むしかないの? そのメリット、デメリットと向き合い方】 先日仲間の先生の所に通う患者さんの子が、 小学生なのにピルを飲んでいるということを聞いて、 さすがに驚いたので、今回はピルについて色々と書いてみました。 予めお伝えしますが、 ここでピルを飲むのが良い悪いと言っているわけではありませんので、 ご了承ください。 生理痛で苦しむ子供を救え 関連記事 小学生のピルについては、 この子の場合は生理痛の軽減が目的だったようですが、   「修学旅行の時に、ピルを持たせる親なんてイッパイいますよ」   「でも何となく娘の体に良くない気はするけど、他に対策が分からない」   とお母さんが言っていたようです。 この話を聞いた私個人の感想は、    
遠藤晃央
ピルは妊娠状態を作るので、体がだるくなったり、頭痛やめまいもおきることがあるので、  返ってつらくなるんじゃないのかな?」
 
遠藤晃央
「生理痛でピルを使わなくても、まずは食べ物を変えるとかでもいいんだけど・・・
というものでした。 そこで今回は急遽、ピルの効用や目的、副作用、不妊との関係などを改めて調べ、   他に選択肢はないのかや、私個人の見解などを書いてみましたので、 関心のある方は是非お読みください。   まず、一般的なことから書きますね。    

【ピル(経口避妊薬)ってなに?】

  ピルとは避妊を目的として作られた合成ホルモン剤です。 「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という、 2つの女性ホルモンに似た成分が配合されいて、 服用すると体内ではこの2つのホルモン濃度が高まっている状態になります。   これは妊娠状態と同じことなので、 脳が「妊娠している」と勘違いをして、排卵が止まります。

【そもそもピルを飲む目的は?】

 まずそもそもなぜピルを飲むかということですが、 使用目的は色々とあるようです。 代表的なものをいくつか挙げてみました。 =============================
①避妊 ②生理痛 ③生理日のコントロール ④生理不順の改善
============================== まだ他にもいろんな理由で飲む方がいる様ですが、 本来の目的は①避妊です。

避妊について

服用することで妊娠している時と似た状態を作るので、 排卵が止まり、妊娠できなくなります。 避妊の成功率は正しい飲み方さえしていれば、 ほぼ100%になります。 もちろん飲み方を間違えれば、避妊効果はなくなります。   服用をやめた後は90%以上の人にはきちんと排卵、生理が戻るので、 妊娠しにくくなるということはないとされており、 生理がなかなか戻らない方は、元々の問題があったからではないかという指摘がされています。    
遠藤晃央
当然ですが、性器クラミジアや梅毒、淋病、 エイズなどの性感染症の予防にはなりません。
  性感染症自体が、不妊の原因になったり、出産時には子供に感染することもあるので、 気を付けたいものです。

生理痛について

次に②生理痛ですが、欧米では避妊のために飲む方がほとんどなのに比べて、 日本では生理痛の減少を目的に飲む方が大変多いという調査もありますし、 病院でも生理痛の症状軽減を目的にピルを処方することも珍しくないようです。 生理痛に効く理由は、ホルモンの作用で子宮内膜が薄くなるので、 炎症物質が含まれている月経血の量が減るからだとの指摘があります。

生理日のコントロール

③生理日のコントロールは確かに出来ますが、飲み方によってどうしたいかが変わりますので、 この辺は医師からの説明をきちんと受けることをおすすめします。

生理不順の改善

④生理不順の改善は、一度生理周期を整えることで、 その後に周期が整うことを期待してのことの様ですが、 実際に整う方もいれば、数か月後にはまた乱れてしまう方もいる様でした。 他にも最近は、子宮内膜症の改善や子宮や卵巣を休めることで、 その後の妊娠率の向上を目指すことを期待しての利用も増えているようです。

ピルの実際に謳われている効果は?

  中央薬事審議会のとりまとめ資料によると、 避妊に関しては99.9%の効果があり、
中央薬事審議会 引用、中央薬事審議会
  他には、 ・卵巣、子宮体がんの発生の減少   ・月経異常の減少、鉄欠乏性貧血の減少、月経困難症の減少   ・子宮外妊娠の減少、骨盤内感染症の発生の減少     などの効果も上げられています。    

ピルのやっぱり気になる副作用は?

  ピルと言ってもやはり薬ですので、当然副作用はあります。 これも中央薬事審議会のとりまとめ資料によると、
  ・吐き気、頭痛、胸の張り、不正出血、肌荒れ、むくみや食欲増進による体重増加 ・乳癌、子宮頸がんのリスクが増加 ・脳卒中や心筋梗塞などの血栓症に関わるリスクの増加 ・薬剤との併用では、副腎皮質ホルモンや抗うつ剤などは、作用が増強することがあり、 抗生物質や抗てんかん剤などの薬剤を使用すると、ピルの作用を減弱させることがある。 引用、中央薬事審議会
  などなど、他にも沢山の注意点が報告されています。 因みに思春期前の女性への服用についても書いてあり、 「エストロゲンは骨端線を閉鎖させ、骨の発育を停止させることが知られています」と書いてました。 これはどういう意味か?といいますと骨の成長をさせなくていいよとホルモンが命令するってことです。 更に乳癌、子宮頸がんのリスクは、20歳前から服用している方のリスクは、 もっと後から飲みだした方たちよりも高いとの報告が記載されています。 そう考えると、小学生からのピルの使用は、 よくよく考えたほうがいいのではないかというのが、私の印象です。 妊娠や新生児に関しては、特に影響は認めれないということでした。  

実際の体験談によると

  こう見てみるとピルを服用するにも、色々と考える必要がありそうですが、 当院に来院されている女性10人くらいにお聞きしたところ、
・以前ピルを飲んだことはありますが、気持ち悪くて動けなくなり、すぐやめました ・周期をずらしたくて、短期間だけ使ったけど特に何も感じませんでした ・病院で勧められたけど、飲みたくないので飲みませんでした
などなど、色々な体験談を聞かせて頂きました。 他からの情報やピルの処方の際に病院から渡される副作用に関するカードなどからすると、   副作用としてよくあるのは、 「妊娠状態」から起きるつわりのような症状でもある、 頭痛や吐き気などの気持ち悪さであり、   特に注意が必要なのは、   確率は低いけど命にもかかわる脳卒中や心筋梗塞にもつながる 血栓症に関することのようです。 危険な症状は、
    ・突然の足の痛み、腫れ、手足のしびれ ・突然の息切れ・鋭い胸の痛み ・激しい頭痛・めまい、失神、舌のもつれ、しゃべりにくい ・突然の視力障害(見えにくいところがある、視野が狭くなる)など
  確率は低いですが、こういうこともありえるし、 実際の数字以上に問題を起こしている方は多いとの指摘もあります。

どうすれば購入できるの?

  ピルは薬で副作用もあるし、飲んではいけない状態の人もいるので、 日本では法律上医師の処方が必要です。 通販サイトでピルを購入する方法もありますが、 海外の薬を個人輸入する形になります。 この場合、成分や配合内容に保証はなく、 服用後になんらかのトラブルが起きたとしてもすべて自己責任になってしまうため、 とてもおすすめできるものではありません

【どんな人には危険ですか?】

 これは当然病院でもチェックされるところだと思いますが、 どうやら病院によって、きちんと検査してから処方するところと、 そうでもないところがあるようです。 大事なことだと思いますので、 以下に注意が必要な場合をあげておきます。  
 ・ピルを服用して過敏症をおこしたことのある人 ・乳がん、子宮頸がんおよびその疑いのある人 ・不正出血がある人 ・35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人 ・血栓症素因のある人 ・4週間以内に手術を予定している人、手術後2週間以内の人、分娩後3週間以内 ・肝硬変、肝腫瘍、胆嚢疾患のある人 ・脂質代謝異常のある人、授乳中の人 ・妊婦または妊娠している可能性のある人 ・高血圧、片頭痛、糖尿病(血管障害あり) (服用者向けガイドラインなどより)引用
などなど他にもいろいろとありました。 やはり、きちんと診察してもらったうえでピルを処方してもらって方がよさそうですね。 以上、ピルについていろいろと書いてきましたが、 副作用のリスクを知ったうえで、何を目的として使用するかどうかは各自の判断ですが、 日本では避妊以上に大きな使用目的になっている、 生理痛や生理不順、子宮内膜症などの婦人科系疾患に対しては、 果たしてピル以外の選択肢はないのでしょうか?

【他の選択肢は?】

  例えば生理痛なら、 食事の内容を変えたり、食べ方や冷えの改善などでも生理痛の改善を図れます。 食事の内容という点で言えば、 加熱用に使っていたサラダ油をオリーブオイルに変えたり、 積極的にアマニ油やエゴマ油のような炎症を抑える働きのあるものを生で摂るようにしただけで 生理痛が改善されたという方も臨床上たくさんいらっしゃいます。 もちろん当協会でお伝えしている子宝整体®のように、 内臓のシステムや構造をきちんと意識して施術することで、 生理痛が改善されたという方はたくさんいます。 生理痛の原因が骨盤のゆがみなどからくる子宮の構造的な問題だったり、 食べ物だったりすると、薬で症状を抑えても服用をやめればまた出てくるかもしれません。 生理痛一つとっても不妊の原因にもなり得ますので、 体そのものの状態をよくすることで、 生理痛に対処するというのも十分に有効な選択肢になります。 これは症状が、生理不順でも子宮内膜症でも基本的な考えは同じです。 それぞれの症状に対してできる具体的なことは別の機会に回しますが、 まずは体質を上げることで、排泄や循環、免疫、生殖などの機能を整えていくことができます。 そうすれば、血流も良くなり、ホルモンのバランスも整うので、 自然と症状も改善されていくのではないでしょうか。 婦人科系疾患などがピルを飲む目的だとしたら、 ピル以外の選択肢もいくつもあるということを知っておいて欲しいと思いました。

【個人的な見解ですが・・・】

今回ピルについて私も改めて一般の方がどんな情報に触れるのかも含めて、 色々とネット上で検索しましたが、
遠藤晃央
「これは混乱するだろうな」
という感想を抱きました。
全く安全で体調も良くなり、使わないのがわからないという投稿もあれば、 具合が悪くなり、寝込んでしまい続けられなかった、 ピルをやめた後も半年たっても排卵が戻らなくて妊娠できるかどうか不安です。
という、声もあり、
遠藤晃央
調べれば、調べるほど混乱する
だろうと思いました。 これはピルに限ったことではなく、何でもそうだと思います。 例えば肉を食べたらいいのか、悪いのか? 糖質を抜けばいいのか、悪いのか? 食べ物ひとつとっても、見解は分かれます。 そこで、これはあくまでも私の意見ですが、 何がいいか、悪いかの答え探しをするよりは、 自分の中に一つの基準を持つと判断しやすいと思っています。 私の持っている口に入れるものや症状への対処に関する一つの基準は、
遠藤晃央
「自然に叶ったことなのか、どうか」
薬が良いか悪いかではなく、 好きか嫌いかでももちろんなく、 本当に必要な時は必要だし、もちろん私も使います。 ただ他に選択肢があるとすれば、 「それは自然に叶ったことなのか、どうか」という点を気にします。 先にあげた肉を例に挙げると、 私の意見では、食べてもいいと思っています。 人類の歴史を見れば、太古の昔から肉を食べてきたので、 肉を食べること自体は自然なことだと思うからです。     ただどうやって育てた肉なのか、薬漬けにされてはいないかなど、 幾つかの点は気にするので、選びます。 ピルをはじめとして薬も飲むかどうかは、 メリット、デメリットを考えたうえで、必要なら飲むし、 自然な方法で対処できるものであればそうします。 何を基準にするかは人それぞれですので、 何でもいいと思いますが、 良い悪いの、善悪二元論的な思考よりも、 ご自分の健康、感情、人生などにフォーカスして、 基準をもって、判断するといいのかなって思います。 それでも、もし1人では大変だし、よく分からないということであれば、 婦人科系疾患や不妊に関するお手伝いができるプロの仲間が全国にたくさんいますので、 紹介させて頂きますね。 これからもこのメルマガでは、選択の幅が広がるような情報を お伝えしていきますから。 今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。 日本妊活協会理事 こころカイロプラクティック 遠藤 晃央(えんどう あきお)

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