こんにちは! 日本妊活協会の山下です。
皆さんはOHSSというのを聞いたことがありますか?
OHSSとは卵巣過剰刺激症候群のことを言います。
なんか聞いたことがある、実際にこれで悩まされたことがある、聞いたことないといった方様々だと思います。
これは重症化すると命にも関わるものですので是非知っておいてくださいね。
目次
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは?
不妊治療の中の排卵誘発剤による副作用で卵巣の中の卵(卵胞)が過剰に刺激されることによって、卵巣が膨れ上がり、血管内の水分が血管外へ漏れ出てしますことです。
漏れ出た水分がお腹や胸に水が溜まります(腹水・胸水)。
また血液が濃縮されることでドロドロとした血液になり重症化すると血栓が出来たり腎機能障害になることもあります。
卵巣自体も通常3~4㎝程度の大きさのものが重症化すると12㎝以上もはれ上がるケースがあります。
最悪場合死に至るケースもあります。
ただ排卵直後や妊娠初期には卵巣の腫れや腹水はよくあることで、これの極端なものがOHSSと考えてよいと思いますよ。
どんな人がなりやすいの?
もちろん人によって異なりますが以下の方がなりやすいとされています。
あくまでリスクのある方ですので必要以上に怖がる必要はありませんよ。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方 ・痩せ型の方
・35才以下の方 ・血中エストロゲン値が4000pg/ml以上
・発育卵胞数が多数(20個以上)の場合
・黄体機能補充としてのhCG投与をした場合
・GnRHアゴニストを使用した場合
・妊娠した場合
こんな症状がある時は気を付けて!!
自覚症状ではこんな訴えが多くあります。
・おなかが張った感じがする
・スカートやズボンが入らなくなった
・尿の出が悪い
・のどが渇きたすい
・むくみがある
・息切れがする
・吐き気がする
・下痢した
・体重が一日で1kg以上増えた
などがあります。
軽度:下腹部の張り(卵巣の大きさ6㎝以下)
下腹部の張りが気になったり、少しお腹が出てきたりします。 検査で異常が出るケースは少ないです。
中等度:体重の増加(卵巣の大きさ6~12㎝)
食生活に大きな変化がないのにお腹に水が貯まってくることで急に体重が増えることがあります。 ヘマトクリット値45%以下。 ※ヘマトクリットとは血液の濃度を表すもので通常40〜45%くらいです。
重度:胸部痛や吐き気(卵巣の大きさ12㎝以上)
お腹に貯まった水が内臓を圧迫することで吐き気や胸の痛みを引き起こすことがあります。 ヘマトクリット値45%以上。 低たんぱく血症、乏尿(1時間に30ml以下の尿量)、肝機能数値の異常、むくみがみられます。
最重症度
腹水は非常に多くなり、胸水も多く呼吸困難になる可能性もあります。 ヘマトクリット値55%以上。 高度乏尿(一日尿量300ml以下)急性腎不全や高度の低たんぱく血症、血栓塞栓症のリスクが高まります。 また腫れあがった卵巣が根元でねじれると卵巣の茎捻転が発生し卵巣が壊死することもあります。 上記のような症状がある方は早期に病院を受診してください。
クロミッドでもOHSSになる?
クロミッドも排卵誘発剤の一つです。 クロミッドを使用している方は多いのではないでしょうか。 しかし、クロミッドでOHSSになるケースは極めて少ないです。 これは厚生労働省が出している使用上の注意にこのように書かれています。 クロミフェンクエン酸塩 [販 売 名]クロミッド錠50mg(塩野義製薬)他 [副作用(重大な副作用)] 卵巣過剰刺激症候群:本剤を投与した場合,並びに,卵胞刺激ホルモン製剤(FSH製剤),ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(hMG製剤),ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤(hCG製剤)を本剤の投与に引き続き用いた場合又は本剤とこれらの製剤を併用した場合,卵巣腫大,卵巣茎捻転,下腹部痛,下腹部緊迫感,腹水・胸水の貯留を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。これに伴い,血液濃縮,血液凝固能の亢進,呼吸困難等を併発することがあるので,直ちに投与を中止し,循環血液量の改善に努めるなど適切な処置を行うこと。 引用元:使用上の注意の改訂について 2011年9月厚生労働省
このようにクロミッド単体ではリスクはほぼないですが、卵胞刺激ホルモン製剤(FSH製剤)、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(hMG製剤)、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤(hCG製剤)を併用して投与した場合は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症にリスクがあるため気をつける必要があります。
効果が強いとされている排卵誘発剤を使うと排卵を促しやすくはなりますが、その分、OHSSになるリスクも高くなりやすいということです。
そういった場合は、人工授精や体外受精といった方法も視野に入れていく必要があります。
また、クロミッドのみではOHSSのリスクは少ないからといって、長期間使用し続けるとモルモンバランスの乱れや子宮内膜を薄くするため妊娠しにくくなることにもなりますので注意が必要です。
OHSSでも妊娠できるの?
OHSSでも妊娠は可能です。
ただOHSSは卵胞が過剰に刺激を受けていることもあり多胎妊娠の可能性も高くなります。
また、ホルモンの変化が大きく症状が悪化することも予測されます。
これらのことを考えると母体へのリスクが高くなるため、症状が強くなっている時は一度不妊治療をストップして体調を整えることを優先することを勧めます。
病院での対応
治療法は、初期症状の場合にはhCG注射を中止します。
血中濃度が高くなっている場合は、その周期での妊娠を避けるために、別の月経周期に胚を移植するという方法を取ります。
重度の場合は、血液の濃縮を改善するために、入院をして水分管理と塩分制限等を行い、アルブミンの投与を行うことによって、血管外の水分を血管内に引き戻します。
これが腹水や胸水の軽減になります。
子宝整体では
基本、子宝整体では母体が健康な状態で妊娠に向かうようにサポートしています。
OHSSの場合では排卵しにくい原因が何かを今のあなたの状態を診て考えます。
そして、その原因をもとに自力で排卵できるようにアプローチをしていきます。
排卵しにくい理由
1.ホルモンバランスの乱れ
2.食生活の乱れ
3.子宮や卵巣の感受性の低下
生理周期とは脳と子宮・卵巣が絶妙な連絡を取り合って出来ています。
➀脳→卵巣)卵を育てろー!(FSH:卵胞刺激ホルモン)
➁卵巣→脳)卵が育ってきたよー!(エストロゲン:卵胞ホルモン) 卵巣→子宮)卵を育てるベッドを準備してー!(エストロゲン:卵胞ホルモン)
➂脳→卵巣)卵が育ったなら排卵させろー!(LH:黄体形成ホルモン)
➃卵巣→脳)排卵したよー!(プロゲステロン:黄体ホルモン) 卵巣→子宮)卵が出たからベッドをふかふかにして温かい部屋を準備してて!(プロゲステロン:黄体ホルモン)
1.卵を育てる命令(FSH)や卵を育て育ったことを知らせる(エストロゲン)の分泌が悪いと排卵しないことがあります。 こういった場合はこれらのホルモンのバランスの乱れが原因となりホルモンバランスを整える施術を行います。
2.食生活の乱れはホルモンバランスを乱す原因になります。 加工食品や添加物といった体に毒といわれるものを多くとっているとこれらがエストロゲンと似たような作用をします。そうなれば脳はエストロゲンがたくさん出ていると判断してこれ以上卵を育てる命令(FSH)入らないと勘違いしてしまい、卵が育たない環境を作ってしまいます。 卵が育たない状態になると排卵も出来なくなります。これが食事からくる排卵が起こりにくくなる原因です。
3.1・2のようにホルモンの状態は良くてもそれを感知する子宮や卵巣の感受性が低下していれば連絡を取ることが出来ません。 すると排卵もそうですが、排卵しても卵を育てることが出来ない状態になります。 こういった場合は子宮や卵巣の機能を高めるような内臓調整を行います。 その他にも子宮や卵巣の血流を上げるような簡単な運動を指導させて頂きます。
これらの原因を早期に見つけるには基礎体温表をしっかりとつけて頂くことが大事になります。
子宝整体では病院の検査にプラスして、それとは違った観点からあなたの体の状態を把握し、あなたの伸びしろを引き出していきます。
毎日面倒だという方もいますが、基礎体温表にもあなたの可能性を引き出す情報が隠れていることが多いですのでしっかりとつけておいてくださいね。
まだ見つけれていないあなたの可能性を一緒に見つけませんか?