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概要
一説によると女性の90%が該当するといわれるPMS。 Premenstrual synerome の略で、日本語では『月経前症候群』と言います。 排卵から生理が来るまでの間の10日間ほどにイライラしたり、集中力がなくなったり、頭痛やむくみなどが出たりします。 PMSの特徴の1つに、 症状が出るのはプロゲステロンが分泌されている時期、ということがあります。 プロゲステロンというのは、エストロゲンと共に女性の月経周期に分泌される代表的なホルモンで、排卵後に分泌されて受精卵が着床しやすいよう子宮内膜を厚くし、体温を上げる作用があるものです。 そしてPMSのもう1つの特徴は、 生理が始まるもしくは終わると症状が完全になくなることです。PMSの症状
PMSの症状としては、精神的なものと肉体的なものがあります。 当てはまるものがないか一度チェックしてみて下さい。 精神的・・・イライラする、神経質になる、短気になる、憂鬱になる、ボーっとするなど 肉体的・・・手足のむくみ、疲労感、頭痛、吐き気、腹痛、不眠、眠気、冷え、肌荒れなど いかがでしょうか? 意外と思い当たる症状のある人もいらっしゃったのではないでしょうか。なぜ起こるのか?
PMSの原因は、いまだにハッキリとは解明されていません。 それは、PMSの症状があまりにも多い事(150種以上)や、症状の軽い人と思い人の差が物凄くあることからのようです。 ですが、諸説あるものの現在は体内のホルモンのバランスが原因になっているという考え方が一般的となっています。 その中で代表的なものを2つ紹介します。 1、女性ホルモンの代表格であるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が、急激に増えたり減ったりするため 2、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌が乱れるため です。 少し細かいメカニズムをみてみますが エストロゲンとプロゲステロンが乱れると・・・ ↓↓↓ ・エストロゲンが減ると、興奮を抑え血管を収縮する物質(セロトニン)が減って脳の血管が広がるので片頭痛になる。 ・プロゲステロンが増加すると、むくみやお腹の張り、便秘、胸の張りの原因に。 ・エストロゲンとプロゲステロンが共に減少すると、ホルモンの司令塔である視床下部がうまく働かなくなる。 『情動の脳』と言われる視床下部の働きが悪くなるとイライラしたり、情緒不安定になったりします。 ・エストロゲンとプロゲステロンが減少して、セロトニンの分泌がうまくいっていない時も、心理的なトラブルを引き起こす。 このように、皆さんを困らせるPMSはホルモンの分泌が乱れることで起こっている可能性が高いんですよね。対策
単純な対策としては、生理周期を確かめてPMSに備えることです。 その為に、基礎体温をつけて自分の体のリズムを知っておきましょう。 基礎体温表と日記をつけるだけで症状が改善する人もいるようですから。 自分の状況を理解して予測できれば、PMSの状態を上手くコントロールできるようになる場合があるんですね。 また、PMSがきつい人は、パートナーなどの周りの人も理解してあげる必要がありますね。男性は理論的に納得すれば行動する場合が多いので、きっちり話すと理解してくれる可能性がありますよ。 ここまでPMSへの単純な対策をお伝えしましたが PMSを出来るだけ軽くしたり、改善する方法を模索してもいいかもしれません。 その方法としては まず病院でしょうか。病院にかかる場合
病院としては婦人科、 もしくは心療内科になります。 診察の手順としては・・・、 まずは問診で月経の周期や期間などを尋ねられます。 それから、触診で子宮、肝臓、腎臓などの状態をみます。 そして尿検査、血液検査でホルモンの値を検査します。 また、腹部超音波で子宮や卵巣の大きさや形、子宮内膜の厚みなどをみたりもします。 その後は治療にはいっていくわけですが、 病院でのPMSの治療にはどのようなものがあるのでしょうか。病院での治療
基本的には低用量ピルや精神薬などの薬物治療がメインのようです。 その他には漢方薬を使った治療も行われます。 また、薬には頼らない栄養療法もあります。薬物療法・・・
代表的なのは、低用量ピルです。 低用量ピルはPMSの原因である排卵をおさえて、排卵後に起こる症状を軽くしようとするものです。 ピルの副作用としては、頭痛やだるさ、吐き気、眠気などがあります。 体が慣れると、出なくなる人もいるようです。 また、重い副作用としては血栓症があります。 ただ、少しマニアックな話になりますが、 PMSの症状緩和にはプロゲステロンが必要なのですが、 ピルに含まれるプロゲストーゲンは、プロゲステロンの分泌を低下させます。 ですので、ピルを飲むことがPMSに適切ではないと指摘するドクターもいるようです。 ・抗うつ剤や抗不安剤は、精神状態や自律神経のバランスの崩れに、 うつっぽい症状がある人は、うつ病と同じくパキシルという薬が処方されます。 パキシルの副作用は、体重増加、眠気、不眠、吐き気、目まい、便秘などです。 どこかPMSの症状に似ている気がしますね。 イライラや不安感に関しては、抗不安剤デパスが処方されることがあるようです。 ちなみにデパスの副作用は、ボーッとする、眠気、倦怠感などです。 薬物は症状に対する処置ですので、根本的な治療ではありません。 ですが、即効性を求める場合にはとても役立ちますね。漢方薬・・・
低用量ピルが使用できない場合や、薬をあまり飲みたくない方の選択肢として漢方薬があります。 西洋医療で使われる薬ほどの即効性はないものの、その方の体質にあったものが見つかれば効果が期待できます。 基本的な考え方は東洋医療で言う「気」「血」「水」のバランスを整えることで、それぞれの症状を改善していくようです。 簡単に代表的なものをピックアップしておくと 加味逍遥散(かみしょうようさん)・・・イライラなどの精神症状が強い、のぼせがある人に。虚弱体質の方に使用されることが多いようです。 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・肩こり、頭痛、むくみの人に。やせ形などの体が強くない女性向けのようです。 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)・・・便秘や肩こり、頭痛、のぼせ、不安、イライラの人に 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・肩こり、腹痛、めまい、のぼせ、冷えなどの人に 抑肝散(よくかんさん)・・・イライラ、不眠の人に 西洋医療の薬に比べると、副作用が少ないのも漢方薬の特徴です。 ですが副作用がゼロではありませんし、ぴったりと合うものを見つけるのが重要ですので、やはり医師や薬剤師の先生と相談しながら服用する方が良いでしょう。栄養療法・・・
PMSを起こす人には、隠れ貧血と機能性低血糖が多くみられるようです。 隠れ貧血の場合は、一般的な血液検査では見逃されることも多いようですので、 血液検査で異常がなかったという方でも鉄の摂取を心がけた方が良いかもしれません。 もちろん検査で鉄などの不足が発見されれば、鉄をはじめとしたミネラルやビタミンを処方されるはずです。 また、炭水化物を多く食べるなどの血糖値を急激に上げる食事をされる方は 機能性低血糖を起こしている可能性がありますので、食事全般をみてくれるような栄養療法は効果的かもしれません。 PMSの診療や通院は、毎月の症状に対処するため基本的に一か月に一回の診察で3~6ヶ月になることが多いようです。整体で出来ること
一方で、 僕たちがPMSの方に対して行うアプローチはというと、- 自律神経を整えたり、血流をよくすることで症状の緩和を目指す
- 頭蓋骨や内臓を調整することでホルモンの分泌やバランスを整える
- 食事やサプリメントなど栄養全体の指導
- 生活習慣やエクササイズの指導