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日本の出生数と合計特殊出生率の推移の図
合計特殊出生率っていうのは・・・『女性が生涯に産む子供の推定人数』ですね。
最近は少しずつ合計特殊出生率が上がっています。
ですが、出生率はどんどん下がっています。
(平成27年度は、出生数が100万5677人、合計特殊出生率は1.45)
一人の産む人数は増えてるのに、生まれてくる子供の人数は少なくなっている。
つまり、そもそも産む女性の数が減っているということですね。
これには様々な理由があると思いますが、結婚を選択しない男女が増えたこと、晩婚化が進んだことによる出産率の低下、子供を産む世代の人口減少などが、その主たるものだと思います。
これらを見ると、普段妊活に携わらせて頂いている立場上どうしても
『晩婚化が進んだことによる出生率の低下』という部分は気になってしまいます。
母親の出産時の年齢の推移をまとめたデータがこちら。
母親の年齢(割合)の推移の図
平成12年から23年の10年間で、母親が35歳以上での出産が11.9%から24.7%に上がっています。
ほぼ2倍ですね。
40歳以上の割合も1.3%から3.6%と3倍になっています。
年齢が上がれば上がるほど、妊娠する確率が低下することや実際の不妊で悩んでいる方の数を考えると
30、40歳代で本当は子供を産みたかったのに断念せざるを得なかったはもっと多いのではないかと思います。
ちなみに、世界を見渡すと日本の不妊治療におけるあまり良くないデータが出てきます。
国際生殖補助医療監視委員会のレポートによると顕微授精、体外受精、胚移植を合わせた件数は、日本はダントツで世界一。
なのに、一回の採卵での出産率は6.2%と世界最低で世界平均の20.1%の3分の1しかない。
今のところ、日本の不妊治療はそれほど高い効果を示せているわけではないんですね。
日本で受けられる不妊治療
不妊治療についての図
保険が利く治療
現在、不妊治療の中で保険がきくのは
- 排卵誘発剤などの薬物療法
- 卵管疎通障害に対する卵管通気法、卵管形成術
- 精管機能障害に対する精管形成術
排卵誘発剤とは
排卵誘発剤というのは、卵巣を刺激して卵胞を育てて排卵を起こすものです。 排卵障害、生理不順、無月経など不妊治療に幅広く用いられます。 方法としては飲み薬や注射などがあり、基本的に飲み薬から始めて効果がなかったら、注射を変えるのが基本的な流れです。 注射は効果が高い分、多児妊娠や卵巣過剰刺激症などの副作用もあります。5つの排卵誘発剤
- クロミッド(クロミフェン)
- セキソビット
- テルグリド
- hMG注射
- hCG注射
卵管疎通障害に対する治療
不妊全体の3割近くが卵管の問題とされていますが、その対処方が下記の2つのものになります。- 卵管通気法
保険の利かない治療
「人工授精」「体外受精」は保険が利きません。
平成22年のデータですが
顕微も含めた体外受精の実施数は、のべ242,161人。
体外受精による出生時数は28,945人。
26年には、47,322人となっています。
26年の総出生数は約100万3500人ですので、21人に1人が体外受精で生まれていることになりますね。
ちなみに、保険が利かない人工・体外受精ですが、助成金が支給されます。
※助成金の制度について詳しく書かれた記事はこちら
妊活するなら知っておきたい助成金のこと人工授精の助成金は、年間数万円という都道府県や市町村が多いようです。 より高額になる体外受精の場合は、条件させ満たせば助成金が支給されます。 平成16年から始まった制度で、年々支給額や年数などが改善されてきています。
もちろん、支給されるための条件もあります。
① 特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦
②治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
なるほど、年齢制限があるのかぁ。。。。。
なんて最初は思ってましたけど、よくよく考えると①の条件の方が気になってきました。
『特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがない』っていうお墨付きをお医者さんに頂くっていうのは・・・。
体外を選択して、助成金を受ける方がどこまでこの条件を認識されているか分かりませんが
そういう認識をハッキリと自分の中に持ってしまうのは、あまり好ましくない気がします。
話は保険と助成金に戻りますが、1つ疑問に思う人もいるかもしれない。
「なぜ、保険が利かずに助成金が出るのか?」
これには、厚生労働省の定義として
保険が利くには疾病でないといけないわけですが
疾病の条件としては・・・
- 命や生活に支障がでる
- 治療で体の機能が回復する
あなたの体にとって何が良いか・・・ あなたはどうしたいか・・・ あなたの妊娠・出産の理想はどうか・・・ちゃんと『考えてから選ぶ』という事が当たり前になって欲しいと切に願っていますし それに貢献できるように、僕たちも尽力していかないといけないですね。 日本妊活協会 ハタケヤマ骨格矯正Lab. 畠山 聡仁











